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パンフ表面 パンフ中面
平成12年4月開始の介護保険制度と同時にスタートした訪問入浴事業(当初の2年間は、「NPO法人こすもけあくらぶ」の前身である「コスモケア長野」として事業を実施)の訪問回数は、これまで6,000回を超えています。
NPO法人が運営する訪問入浴事業者としては県内唯一であり、利用者の減少から社会福祉協議会はじめ多くの事業者の撤退する中、開所以来20年間にわたり一度も中断することなく事業を実施してきました。
事業開始の際に思い切って購入した高額な訪問入浴車は、現在も現役で活躍しています。
とはいっても、既に部品の在庫もない状況なので、いったん修理が必要になると、訪問入浴車の稼働日の合間を縫って専門の技術者が県外から駆けつけ、必要な部品を手作りで加工し、何とか元の状態に戻すという作業の繰り返しでした。
ちなみに、先月凍結で部品が破損した際の修理代は、訪問入浴の事業収入の2か月分でした。
車両の修理が可能で、一人でも利用者がいる限りは何とか事業を続けたい、との訪問入浴のスタッフ共通の思いでここまできましたが、熟慮の末、思い切って今月末(令和3年3月末)で事業を終えることとしました。
最後のご利用者は、長年、毎週水曜日の「こすもけあくらぶ」の訪問入浴を楽しみしていただいていた方です。事業が終了することをとても残念に思われていましたが、市内の別事業者に引き継いでいただくこととなりました。
これまで数えきれない人数の方に訪問入浴をご利用者いただきました。
もともと1日数件の訪問に留めていたこともあり、ご利用者宅での滞在時間もゆったりで、ご家族も交えて世間話に花を咲かせたり、誕生日を一緒に祝ったり、畑で採れた野菜をいただいたり、楽しい思い出がいろいろ残っています。
雪の日には山あいの訪問先まで恐る恐る運転したり、雨の日には雨合羽で重い浴槽を運んだり、暑い日、寒い日、20年の間には大変な日も少なくありませんでしたが、今となっては懐かしい思い出です。
特殊浴槽を完備したデイサービスが普及してきて、訪問入浴の利用は次第に少なくなり、逆に当初はあまり想定していなかったようなご利用の相談も寄せられるようになりました。
回復が難しい入院中のお年寄りが退院することになり、訪問入浴のご利用により、長年住み慣れた自宅でゆっくり入浴でくつろいでいただいき、「来週また来ますね」とのスタッフの声掛けに笑顔で応えてくれた後、次の入浴を待たずお亡くなりになったことが何度かありました。
訪問入浴に限らず、ご利用者がお亡くなりになることは少なからずありますが、訪問入浴については、例外なくご家族から感謝のお言葉をいただきます。
そんなお言葉も励みにしつつ、ここまで続けてきた訪問入浴ですが、今月末をもって事業を終了します。
多くの皆さんのご支援をいただきながらここまで来ることができました。
ありがとうございました。