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「こすもけあ福祉会」の歩み

「特定非営利活動法人こすもけあ福祉会」は、2021年10月27日に変更した新しい法人名です。
それ以前は「特定非営利活動法人こすもけあくらぶ」という名前でした。
法人が長野県知事の認証を受けて設立されたのは、平成14年4月のことです。
はじめは介護保険の居宅介護支援(ケアプラン作成)、訪問介護、訪問入浴の3事業でのスタートでした。
当時はまだデイサービスが今ほど普及しておらず、家庭での入浴が困難な介護度の高い高齢者向けの介護サービスとして、訪問入浴車による入浴介護が注目を集めていました。
NPO法人の立ち上げ時に、家庭での入浴介護に難儀していたメンバーがいたことから、スタート時のサービスには是非、訪問入浴を加えたいと考えました。
調べてみるとびっくりするような車輛価格でしたが、まずは実物を見てみようと訪問入浴車を製造している会社を水戸市まで訪ね、訪問入浴車の開発、製造、普及に関わる社員の皆さんの熱い思いを聞き、その場で導入を決めました。

こちらは20年前の写真です。一番手前に写っているのが訪問入浴車です。
以来20年、実施回数6,000回を超えた訪問入浴は、最後のお一人となったご利用者宅を令和3年3月31日に訪問し、無事事業を終了しました。
訪問入浴車を廃車にするために自動車屋さん運んでいく日に、最後の思い出に写真を撮りました。
当時のホームページに記念の写真と所感(こちらからリンク)を掲載しました。

話は立ち上げ時に戻って、引き続きに事業開始の翌年には定員10人の「宅老所こすもけあくらぶ」を新設しました。
下の写真は、当時の宅老所の玄関です。ご利用者の目を楽しませるようにと、いろいろな草花を植えていました。

駐車場横の玄関へのアプローチには、あやめが咲き誇っていた時期もありました。
駐車中の車も時代を感じさせますね。

単調になりがちな宅老所の毎日を少しでも楽しく過ごしていただきたいと、季節ごとのイベントに工夫を凝らしていました。
当時は芸達者な職員も多く、かくし芸大会のようなクリスマス会は大いに盛り上がったものでした。

開設当時は「宅老所」という新しいスタイルが注目され、いくつもの事業所が開設されましたが、介護保険制度の普及に伴い全国展開の規模の大きなデイサービスセンターが各地に展開されるようになると、どこの宅老所も利用者が減少し、事業を廃止したり解散する法人が増えてきました。
「宅老所こすもけあくらぶ」も同様で、その役割を終える時ががだんだん近くなっていました。
そんな時期に、あるきっかけで松本市の医療的ケア児の支援をしているボランティアの方々から現在の理事長(当時は県庁の職員)に相談が持ち掛けられました。
それは「ボランティアで出来ることには限界があるので、きちんと指定を受けた福祉サービス事業を始めたい。自分たちにはそうした知識が何もないので力を貸してほしい。」というものでした。
途中の話は省略しますが、その要望を受けて出来上がったのが「雲のポッケ」です。

広々とした大空に包まれた建物のイメージから「雲のポッケ」という名前が生まれました。
これまで行政への要望が中心であった重症児と家族への支援の拡充について、支援者と当事者も主体的に関わることができるということを形にした最初の一歩でもありました。

その後「雲のポッケ」の取組を耳にされた長野地域の方たちの活動から「多機能型事業所こすもけあくらぶ」が生まれ、上田地域の方たちの活動から「ごきげんスペースうえだ」が生まれました。
そのあたりのことはこのホームページの中でもご紹介していますが、こうした今の姿があるのも、訪問入浴や宅老所の20年間の歩みがあってのことです。
その事も知っていただけたらと思い、この記事を掲載させていただきました。
(2022年5月28日)

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